ダブルトップ/ボトム、三尊/逆三尊と、ここまで代表的な転換パターンを見てきましたが、実戦のチャート上にはそれ以外にもフラッグ、ペナント、トライアングル、レンジブレイクなど、さまざまな形が混ざって現れてきます。
全部をバラバラに暗記しようとすると、「これはどの名前のパターンだっけ?」と混乱しがちで、結局トレードの判断にはつながりにくいものです。
そこで第54話では、典型的なチャートパターンを「転換系」「継続系」「ブレイク系」の3つのグループに分けて整理し、代表パターンとその使いどころを「地図」としてまとめていきます。
あわせて、どの時間足で使うと相性がいいのか・スイング/デイトレどちら向きなのか・トレンドやサポレジとどう組み合わせるかといった視点も加えながら、「自分はどのパターンをメイン武器にするのか」を決めやすくすることが今回のゴールです。
チャートパターンの“種類を増やす”のではなく、“地図を持つ”ための回として、肩の力を抜いて読み進めてみてください。
典型的なチャートパターンを「地図」にして整理する
ダブルトップ/ボトム、三尊/逆三尊と、ここまで代表的な転換パターンを見てきました。
ただ、実戦のチャート上にはそれ以外にも、フラッグ、ペナント、トライアングル、レンジブレイクなど、さまざまな形が混ざって現れてきます。
全部をバラバラに覚えようとすると、「これはどの名前のパターンだっけ?」と混乱しがちなので、一度ここで典型的なチャートパターンを「地図」として整理する時間を取りましょう。
第54話では、チャートパターンを「転換系」「継続系」「ブレイク系」にざっくり分類し、それぞれに属する代表パターンと使いどころをまとめていきます。
さらに、「どの時間足で使うと相性がいいのか」「どんなトレードスタイルと相性がいいのか」という視点も加えて、“自分はどのパターンをメイン武器にするか”を決めやすくすることが今回のゴールです。
① 「転換系」「継続系」「ブレイク系」の3グループに分ける
まずは、チャートパターンをざっくり分類するところから始めます。
パターンの名前は多くても、実は「何を示しているか」で見ると、そこまで種類は多くありません。
大きく分けると、
・トレンドの天井・底を示す転換系。
・トレンドが一服して、再開しやすい継続系。
・レンジやボックスから飛び出すブレイク系。
この3つにほとんどのパターンが収まります。
名前を覚える前に、「これはトレンドの終わりを示したいのか、途中休憩なのか、それともレンジからの飛び出しを示したいのか」という観点で分類しておくと、頭の中がかなり整理されます。
以降の見出しでは、この3グループごとに代表的なパターンをざっと俯瞰していきましょう。
② 転換パターンの代表たちと狙うべき場所
転換系パターンは、その名のとおり「トレンドの終わり」や「流れの反転」を示唆する形です。
代表的なのは、すでに扱った、
・ダブルトップ/ダブルボトム。
・ヘッドアンドショルダー(三尊/逆三尊)。
この2系統が「王道」です。
いずれも、
・同じ価格帯を何度か試したのに抜けきれない。
・高値(安値)の更新幅がだんだん小さくなる。
という勢いのピークアウトと、その後の「ネックラインブレイク」による転換を表しています。
実戦では、
・日足/4時間足で長く続いたトレンドの高値圏・安値圏。
・週足レベルで何度も止められているサポレジゾーン。
に絞って、転換パターンを探すのが効率的です。
中途半端な位置のWや三尊は「途中の押し目/戻り」で終わることも多く、狙うなら「ここでひっくり返ってもおかしくない場所」に限定するイメージで十分です。
トレンドが一服して再開しやすい「継続パターン」
③ 継続パターン|フラッグ/ペナント/トライアングル
次は、トレンドの途中で出やすい「継続系」のパターンです。
代表的なのは、
・フラッグ(旗のような斜めのレンジ)。
・ペナント(三角形の収縮レンジ)。
・トライアングル(上下どちらかが斜めの三角持ち合い)。
これらは、強いトレンドのあとに、一旦エネルギーを溜め直すように小さなレンジや持ち合いを作り、その後、元のトレンド方向に再開しやすいパターンです。
イメージとしては、
・強い上昇 → 一服して斜め下向きの小さなレンジ → もう一段上昇。
・強い下落 → 一服して斜め上向きの小さなレンジ → もう一段下落。
という流れです。
ここでのポイントは、「それまでのトレンドがしっかりしていること」です。
トレンドがはっきりしていない相場でフラッグやペナントを探し始めると、ただのレンジにしかならないことも多いので、「強い一波動が出た後にだけ注目する」と決めておくとミスが減ります。
④ ブレイク系パターン|レンジブレイクとボックス
ブレイク系パターンは、しばらく続いたレンジやボックスから価格が飛び出す場面を捉える形です。
典型的なのは、
・レンジブレイク(箱からの上抜け/下抜け)。
・ボックス相場の上限/下限抜け。
など、名前自体はシンプルなものが多いです。
ポイントは、「どれくらいの時間、そのレンジが続いていたか」です。
短期足で数本だけの小さなレンジよりも、
・数日~数週間続いた日足レンジ。
・ロンドン時間~NY時間で何度も上下を試した1時間足ボックス。
といった「多くのトレーダーが意識してきたレンジ」をブレイクする場面ほど、抜けた後の値幅が出やすくなります。
ブレイク系は、相場が「次のフェーズ」に移る入口になることが多いので、転換系・継続系とセットで覚えておくと全体像が掴みやすくなります。
時間足とトレードスタイル別にパターンを選ぶ
⑤ 時間足別|どのパターンをどの軸で使うか
同じチャートパターンでも、時間足によって役割や使い方が変わります。
ざっくりした相性としては、
・日足/4時間足:ダブルトップ/ボトム、三尊/逆三尊、長期レンジブレイク。
・1時間足:フラッグ/ペナント、トライアングル、短期レンジブレイク。
・15分足以下:上位足パターン周りの「細かい入り場の調整」。
というイメージを持っておくと分かりやすいです。
特に転換系パターンは、短期足よりも上位足の方が信頼度が高く、「大きな流れを日足・4時間足で捉え、細かいエントリーを1時間足・15分足で探す」という役割分担が使いやすいバランスになります。
一方、継続系(フラッグ/ペナントなど)は、1時間足前後で見ると「程よい値幅・時間軸」になりやすくなります。
パターンごとに「自分はどの時間足で使うのが心地いいか」を決めておくと、トレードのリズムが安定してきます。
⑥ トレードスタイル別|スイングとデイトレでの使い分け
チャートパターンの選び方は、あなたのトレードスタイルとも関係してきます。
たとえば、数日~数週間ポジションを持つスイング寄りなら、
・日足/4時間足のダブルトップ/ボトム。
・日足レンジのブレイク。
・長期トライアングルのブレイク。
といった「少ないチャンスだが大きく狙えるパターン」をメイン武器にするのが現実的です。
一方、1日で完結させたいデイトレ寄りなら、
・1時間足のフラッグ/ペナント。
・ロンドン時間のレンジブレイク。
・上位足転換パターン付近での短期フラッグ。
といった「1日の中で完結しやすい継続系・ブレイク系」を主役にした方が、リズムを作りやすくなります。
自分の生活リズムや保有時間の許容に合わせて、「このパターンは自分のスタイルと相性がいい/悪い」といった感覚をメモしておくと、徐々に“自分専用の武器セット”が固まっていきます。
パターン単体ではなく「文脈」とセットで使う
⑦ パターン単体ではなく「ライン+トレンド」と組み合わせる
ここまで何度も触れていますが、チャートパターンは単体で完結するシグナルではありません。
あくまで、
・上位足のトレンド方向。
・サポート/レジスタンスライン。
・トレンドラインやチャネルライン。
といった“文脈”の上に乗っかる形で使ってこそ、意味を持ちます。
たとえば、
・日足のレジスタンスゾーンで三尊が出る。
・その右肩部分で、1時間足のフラッグが下抜ける。
・さらに、フラッグの下限がトレンドライン割れと重なっている。
といった場面なら、パターン単体よりもずっと信頼度は高まります。
「パターンを探す」ではなく、「トレンドとラインが示す文脈の中で、結果として出てきたパターンを見る」という順番でチャートを眺める癖をつけておきましょう。
⑧ 過去チャートを使ったパターン認識トレーニング
チャートパターンは、頭で理解しただけではなかなか使いこなせません。
必要なのは、「見慣れる」ことです。
おすすめのトレーニングは、
① 通貨ペアと時間足をひとつ決める(例:ドル円・4時間足)。
② 過去2~3年分くらいを左から右へ「早送り」で眺める。
③ 代表的なパターン(ダブルトップ/三尊/フラッグ/レンジブレイクなど)が出ていそうな場所で一旦止める。
④ スクショを撮って、「どのグループ(転換/継続/ブレイク)に属するか」をメモする。
というシンプルなものです。
この作業を繰り返すだけでも、「今見ている相場は、過去のどのパターンに似ているか?」という感覚が少しずつ育ってきます。
チャートパターンはセンスではなく「視力」だと思って、コツコツ視力トレーニングを続けてみてください。
⑨ パターンごとの「勝ちパターン・負けパターン」を記録する
もう一歩踏み込むなら、「どのパターンでどういうときに勝ちやすいか、負けやすいか」を記録するのがおすすめです。
たとえば、
・日足ダブルトップのネックラインブレイク → 勝ちやすい。
・5分足三尊での逆張りショート → ダマシ多めで負けがち。
・1時間足フラッグのブレイク → その日のトレンド次第で結果が変わる。
といった「自分の実績」をパターン別に分類していきます。
数十件たまってくると、
・このパターンは得意だからロットを少し厚くしよう。
・このパターンは苦手だから、エントリー条件を厳しくしよう。
といった微調整ができるようになります。
市販の本に載っている「一般論」ではなく、自分の手で集めた「統計」こそが、チャートパターンを武器に変える材料になります。
⑩ 最初に絞り込むべき“自分用パターンセット”
最後に、「じゃあ結局、最初は何を使えばいいの?」という話をしておきます。
FX初心者のうちは、欲張らずに、次のような構成で十分です。
・転換系:ダブルトップ/ボトム + 三尊/逆三尊。
・継続系:フラッグ or ペナント(どちらかひとつ)。
・ブレイク系:レンジブレイク(水平ボックス)だけ。
この「転換2種+継続1種+ブレイク1種」の4種類を、自分のメイン武器と決めてしまうイメージです。
それ以外のパターンを見つけても、「今はまだ保留」として扱い、まずはこの4種類でスクショを集めたり、検証したりしてみてください。
ある程度、自分の中で感覚と実績が溜まってきたら、そこで初めて「もう1パターン増やそうかな」と考えれば十分です。
チャートパターンは、量よりも「深さ」と「慣れ」です。
少数精鋭のセットをしっかり育てるつもりで、じっくり付き合っていきましょう。
まとめ|チャートパターンは種類を増やすより「地図を持つ」ことが大事
第54話では、典型的なチャートパターンを「転換系」「継続系」「ブレイク系」の3グループに分けて整理し、どのパターンをどの時間足とトレードスタイルで使うのかという“地図”を作りました。
転換系にはダブルトップ/ボトムや三尊/逆三尊があり、長く続いたトレンドの高値圏・安値圏や長期サポレジ付近でこそ意味を持つこと、継続系にはフラッグ/ペナント/トライアングルがあり、強い一波動のあとに一服して再開しやすいパターンであること、ブレイク系には日足レンジやボックスからのブレイクがあり、「次のフェーズ」に相場が移る入口になりやすいことを確認しました。
また、同じパターンでも、日足・4時間足で使うのか、1時間足・15分足で使うのかによって役割や狙える値幅が変わること、スイング寄りなら「日足転換+レンジブレイク」、デイトレ寄りなら「1時間足フラッグ+短期ブレイク」といったように、時間足とスタイルに合ったパターンを選ぶことが大切だという話もしました。
さらに、チャートパターンは単体のシグナルではなく、上位足のトレンド・サポート/レジスタンスライン・トレンドラインやチャネルラインといった「文脈」とセットで使ってこそ意味を持つこと、そして過去チャートでスクショを集めたり、自分のトレード結果をパターン別に記録していくことで、「どのパターンが自分にとって勝ちやすいか/負けやすいか」という生の統計が溜まっていくことも押さえました。
FX初心者のうちは、欲張ってすべてのパターンを覚えようとする必要はありません。まずは、転換系2種(ダブルトップ/ボトム+三尊/逆三尊)、継続系1種(フラッグかペナント)、ブレイク系1種(レンジブレイク)くらいの少数精鋭セットに絞り、自分の時間足とスタイルに合わせて「見慣れていくこと」から始めてみてください。
次回からは、チャートパターンで身につけた「値動きの文脈の読み方」を活かしつつ、相場の節目でよく問題になる「窓開け(ギャップ)」にフォーカスし、ギャップがなぜ起きるのか・どう埋まりやすいのか・どんなトレード戦略が考えられるのかを掘り下げていきます。
【投資に関する注意】
本記事の内容は、筆者の個人的な見解であり、特定の通貨ペアや金融商品の売買を推奨するものではありません。
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