ここからはいよいよ「チャートパターン編」に入っていきます。
ダブルトップ、ヘッドアンドショルダー、フラッグ、ペナント…と、チャートパターンにはたくさんの名前がありますが、最初から全部覚えようとすると、正直それだけでお腹いっぱいになってしまいます。
大事なのは、片っ端から暗記することではなく、「自分が実戦で使える、わかりやすいパターンだけを武器にする」という発想です。
チャートパターンは、形そのものに魔法があるわけではなく、「なぜこの形になりやすいのか」「どんな場所でこそ機能しやすいのか」という、値動きと参加者の心理をセットで理解してこそ威力を発揮します。
第51話では、具体的な個別パターンに入る前の準備として、チャートパターンの捉え方・どのパターンから覚えるべきか・時間足やサポレジとの関係・スクショを使った効率的な学び方を整理し、「チャートパターン学習の地図」を一緒に作っていきます。
ここを押さえておくと、次回以降に出てくるダブルトップや三尊なども、「ただの形」ではなく「相場のクセ」として、ずっと理解しやすくなります。
わかりやすいチャートパターンだけに絞って武器を作る
ここからはいよいよ「チャートパターン編」に入っていきます。
第51話では、まず全体の入口として、「わかりやすいチャートパターンをどう選び、どう覚えていくか」という考え方にフォーカスします。
具体的なダブルトップやヘッドアンドショルダーなどの個別パターンは、次話以降でじっくり扱う予定です。
今回のゴールは、「どのパターンから覚えればいいのか」「そもそもチャートパターンをどう捉えるべきか」を整理し、“学び方の地図”を手に入れることです。
- ① チャートパターン=値動きの「癖」が図形として見えているだけ
- ② 「ここでひっくり返りやすい場所」とセットで見る
- ③ テクニカル指標ではなく「値動きそのもの」を読む感覚
- ④ 初心者は“わかりやすい5パターン”だけで十分
- ⑤ 教科書どおりを待ちすぎないための「許容範囲」の考え方
- ⑥ まずトレンド ⇒ 水平線 ⇒ その上にパターン、の順で探す
- ⑦ 同じパターンでも時間足によって「重み」が違う
- ⑧ ネックライン・サポレジ・トレンドラインとの位置関係
- ⑨ 完成を待つ勇気と「ネックラインブレイク」確認
- ⑩ スクショ収集&分類ノートで型をインストールする
- ⑪ 理想図と「歪んだ現実」をセットで覚える
- ⑫ 次話以降で扱う代表パターンの予習
① チャートパターン=値動きの「癖」が図形として見えているだけ
まず最初に押さえておきたいのは、チャートパターンは「値動きの癖が、たまたま同じような図形として繰り返し現れているもの」にすぎない、ということです。
ダブルトップだから下がるのではなく、「売りたい人・利確したい人が集まりやすい状況」が積み重なった結果として、ダブルトップっぽい形ができやすい、という順番になります。
つまり、形そのものに魔法があるわけではなく、「なぜこの形になりやすいのか」「裏側でどんな心理が動いているのか」を理解してこそ武器になるイメージです。
チャートパターンを単なる「当て物のテンプレ」として覚えようとすると、現実のゆがんだ形を見たときに「これはダブルトップなのか違うのか?」と迷い続けることになります。
そうではなく、「この形になるまでに、買いと売りの勢力がどう入れ替わってきたか」をイメージできると、同じパターンでも納得感を持ってトレードに使えるようになります。
チャートパターンは、値動きの歴史を「図形」という形でざっくり要約したもの、とラフに捉えておくと、変な期待を背負わせずに済みます。
② 「ここでひっくり返りやすい場所」とセットで見る
次に大事なのは、チャートパターンは「どこで出たか」が半分以上、という視点です。
同じダブルトップでも、
・長期足で何度も止められているレジスタンス直下なのか。
・ただの中途半端な価格帯の途中なのか。
では、意味合いがまったく変わってきます。
トレンドの終盤、長期足の高値圏、過去にも何度も反転しているゾーンなど、「もともとひっくり返りやすい場所」にチャートパターンが重なっているときほど、そのシグナルの重みは増します。
逆に、相場の真ん中あたりでパターンっぽい形を見つけても、「ただの途中の押し目/戻り」で終わることも多く、精度はどうしても落ちてしまいます。
チャートパターンを探すときは、形を探す前に「ここでトレンドが一度止まりやすい理由はあるか?」と自分に問いかける習慣をつけておきましょう。
③ テクニカル指標ではなく「値動きそのもの」を読む感覚
これまで、ボリンジャーバンドやMACD、RSIなど、多くのテクニカル指標を見てきました。
チャートパターンは、そのどれとも少し違います。
なぜなら、チャートパターンはインジケーターではなく、「ローソク足そのものの並び方」だからです。
言い換えると、チャートパターンを学ぶということは、「インジに頼らず値動きそのものを読む力」を鍛えることでもあります。
インジケーターは相場の状態を数値や線に変換してくれますが、その元データはすべてローソク足です。
だからこそ、「パターン=ローソク足の並びから読み取れる参加者の心理」と意識しておくと、これまで学んできたヒゲ・トレンド・サポレジの知識ともつながってきます。
チャートパターンは、インジと価格の間をつなぐ「橋渡し役」のような存在として捉えておくと、学びの整理がしやすくなります。
初心者は“わかりやすい数パターン”に絞る
④ 初心者は“わかりやすい5パターン”だけで十分
チャートパターンを調べると、教科書には本当にたくさんの名前が出てきます。
ダブルトップ/ダブルボトム。
ヘッドアンドショルダー(三尊・逆三尊)。
トライアングル、フラッグ、ペナント…などなど。
全部覚えようとすると、それだけでお腹いっぱいになってしまいます。
実戦的には、まずは「すぐにイメージできる、形がシンプルな5パターン」に絞ってしまうのが現実的です。
たとえば、
・ダブルトップ/ダブルボトム(W・Mの形)。
・ヘッドアンドショルダー(三尊・逆三尊)。
・レンジブレイク(ボックスを抜ける形)。
・トレンド中のフラッグ/ペナント(旗・三角の調整)。
このあたりから始めるだけでも、相場の“骨格”を見る目はかなり変わってきます。
⑤ 教科書どおりを待ちすぎないための「許容範囲」の考え方
チャートパターンでよくある失敗が、「教科書の図とほんの少しでも違うと、すべて無効だと感じてしまう」ことです。
現実のチャートでは、きれいな左右対称のダブルトップや、完璧な三尊が出ることはむしろレアケースです。
実際には、山の高さが少し違ったり、ネックラインが少し斜めだったり、パターンの途中でヒゲが飛び出していたりします。
そこで大事なのが、あらかじめ「自分の中での許容範囲」を決めておくことです。
たとえば、
・ダブルトップの2つの山の高さは、±○pipsくらいまでOK。
・ネックラインは完全な横ではなく、多少の傾きは許容する。
といった感じで、自分なりの基準を作っておくと、「これはダブルトップ寄りの形だな」と判断しやすくなります。
完璧さを求めすぎるとチャンスを逃し、ゆるくしすぎると何でもパターンに見えてしまうので、そのバランス感覚を磨いていくイメージです。
⑥ まずトレンド ⇒ 水平線 ⇒ その上にパターン、の順で探す
チャートパターンを探すときの順番も、とても大事です。
多くの人は、いきなり「Wの形」「Mの形」を探し始めてしまいます。
しかしそれだと、相場の真ん中でもパターンっぽいものを量産してしまい、「どこもかしこもチャンス」に見えてしまいます。
おすすめは、
① まず上位足でトレンド方向と、ざっくりした流れを確認する。
② 次に、明確に意識されていそうな水平線(サポレジ)を引く。
③ その水平線の近くで、「結果としてパターンができていないか」を確認する。
という順番です。
この流れを徹底すると、チャートパターンを「形探しゲーム」にしなくて済みますし、根拠のある場所だけに絞ってチェックできるようになります。
時間足・場所・完成の仕方でチャートパターンの重みは変わる
⑦ 同じパターンでも時間足によって「重み」が違う
チャートパターンも、時間足によって意味合いの重さが変わります。
5分足のダブルトップと、4時間足のダブルトップ。
名前は同じでも、「そこで動かしている資金の量」や「参加者の時間軸」が違うので、トレードに与えるインパクトも変わってきます。
超短期足では、ちょっとした利確やニュースで簡単に形が崩れてしまうことも多く、ダマシが出やすいです。
一方、4時間足や日足レベルでしっかりと時間をかけて作られたパターンは、それだけ多くのトレーダーが意識しているため、ブレイクしたあとの値幅も大きくなりやすくなります。
実戦では、「上位足のパターンを背景にし、下位足で具体的なエントリーポイントを探す」という役割分担を意識すると、バランスが良くなります。
⑧ ネックライン・サポレジ・トレンドラインとの位置関係
チャートパターンの教科書には、よく「ネックライン」という言葉が出てきます。
ダブルトップなら、2つの山の間の安値を結んだライン。
ヘッドアンドショルダーなら、左右の谷を結んだライン。
このネックラインが、実質的には「パターンのサポート/レジスタンス」になっていることが多いです。
さらに、
・そのネックラインが、上位足のサポレジラインとほぼ同じ位置にある。
・トレンドラインやチャネルラインと交差している価格帯に重なっている。
といった「ライン同士の重なり」があると、ブレイクしたときの意味合いが一段重くなります。
チャートパターンを単体で見るのではなく、「どのラインと組み合わさっているか」をセットでチェックする癖をつけておきましょう。
⑨ 完成を待つ勇気と「ネックラインブレイク」確認
チャートパターンで一番やりがちなのが、「まだ完成していない途中の形」を先読みして飛び乗ってしまうことです。
「これ、ダブルトップになりそうだから売ってみよう」といったエントリーは、たまたまうまくいくこともありますが、長期的にはかなり危険なやり方です。
理由はシンプルで、「なりそう」と思っていた形が、その後の値動きで簡単に崩れてしまうことが多いからです。
基本は、
・パターンが一応完成する(Wや三尊の形として認識できる)。
・さらに、そのネックラインを明確にブレイクしたことを確認する。
という2段階を待ってから、初めて「パターンとして機能し始めた」と見なすイメージです。
もちろん、その分だけエントリー位置は少し不利になりますが、「形になりきらなかったパターン」に振り回される回数を減らせるメリットの方が大きいと考えておくと、メンタル的にも楽になります。
チャートパターン学習のロードマップ
⑩ スクショ収集&分類ノートで型をインストールする
チャートパターンは、「見慣れる」ことが何より大事です。
教科書の図だけ見ても、実際のチャートで瞬時に判別できるようにはなりません。
一番シンプルで効果的なのは、「スクショを集めて、自分だけのパターン図鑑を作る」ことです。
具体的には、
・過去チャートやリアルタイムのチャートで、わかりやすいパターンを見つけたらスクショを撮る。
・「ダブルトップ」「三尊」「フラッグ」などのフォルダに分類して保存する。
・1週間ごと・1か月ごとに見返して、「どこが理想形と違うか」「どんな場所でよく出ているか」をメモする。
この作業を続けると、チャートをパッと見たときに「この形、前にも見たことあるな」という感覚が少しずつ育っていきます。
⑪ 理想図と「歪んだ現実」をセットで覚える
もうひとつ大事なのが、「教科書の理想図」と「実際の歪んだ形」をセットで覚えることです。
ノートやデジタルメモに、
・左側に教科書的な理想図。
・右側に、実際のチャートのスクショ。
を並べて貼り、「どこが違うのか」「それでも自分はパターンと認識してトレードするのか」を書き込んでいくイメージです。
こうすることで、「完璧にきれいでなくてもOKなライン」と「さすがにこれはパターンと見なさないライン」の境界が、だんだん自分の中で固まっていきます。
チャートパターンは、結局のところ「自分がどこまでをパターンと見なすか」という感覚ゲームでもあります。
その感覚を明文化しながら鍛えることで、再現性のあるトレードに近づいていけます。
⑫ 次話以降で扱う代表パターンの予習
最後に、このチャートパターン編のロードマップをざっくり共有しておきます。
第51話の今回は、「チャートパターンの捉え方」と「わかりやすいパターンだけに絞る」話でした。
次話以降では、
・ダブルトップ/ダブルボトム。
・ヘッドアンドショルダー(三尊/逆三尊)。
・レンジブレイクのパターン。
・トレンド継続のフラッグ/ペナント。
といった代表的な形をひとつずつ取り上げ、「どんな場面でよく出るのか」「どこでエントリー・損切り・利確を考えるのか」を具体的に解説していきます。
今回の内容を頭に入れたうえで個別のパターンを学ぶと、「ただ形を暗記するだけ」ではなく、「なぜその形になるのか」「どの場所でこそ機能しやすいのか」まで自然と紐づいてきます。
ここから数話は、チャートパターンを自分のトレード武器として組み込んでいくための、実戦寄りの内容になっていきます。
まとめ|チャートパターンは「数より質」そして「形より場所」
第51話では、「わかりやすいチャートパターンをどう選び、どう学んでいくか」という入口となる考え方を整理しました。
チャートパターンは、値動きの癖や参加者の心理がたまたま似た図形として繰り返し現れている現象であって、形そのものに魔法があるわけではありません。だからこそ、ダブルトップだから下がるのではなく、「そうなりやすい状況が積み重なった結果としてその形になっている」という順番で捉えることが重要でした。
また、同じパターンでも、「どの場所で・どの時間足で・どのラインと重なって出ているか」によって意味の重さが大きく変わることも確認しました。長期足の高値圏や、過去に何度も止められているサポレジ付近でじっくり形成されたパターンほど、ブレイク後のインパクトが強くなりやすい一方、短期足の真ん中あたりに出る“なんちゃってパターン”はダマシも多く、精度はどうしても落ちます。
初心者のうちは、ダブルトップ/ダブルボトム、ヘッドアンドショルダー(三尊/逆三尊)、レンジブレイク、フラッグ/ペナントなど、形がイメージしやすい数パターンに絞ること。そして、教科書どおりの完璧な図形を待ちすぎないように、「山の高さはこのくらいの誤差ならOK」など、自分なりの許容範囲を決めておくことが現実的なアプローチになります。
実戦では、スクリーンショットを集めて「自分だけのパターン図鑑」を作り、理想図と少し歪んだ実際のチャートを並べて見比べることで、「これはアリ/これはナシ」という感覚のラインがだんだん明確になっていきます。
次回からは、ダブルトップ/ダブルボトムや三尊/逆三尊など、代表的なチャートパターンをひとつずつ取り上げ、「どんな場面でよく機能するのか」「どこでエントリー・損切り・利確を考えるのか」を、具体的な実戦目線で掘り下げていきましょう。
【投資に関する注意】
本記事の内容は、筆者の個人的な見解であり、特定の通貨ペアや金融商品の売買を推奨するものではありません。
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