生活不安やお金の話になると、「どうやって増やすか」という話題に目が向きがちです。
ただ、本当に自分が求めているのは「一気に増やすこと」なのか、それとも「今とこれからの生活が壊れないこと」なのか、ふと考えてしまう瞬間はないでしょうか。
大きなリターンを狙えば狙うほど、感情の波も大きくなり、日々の生活にまで不安や焦りが入り込んでくることがあります。
一方で、派手さはなくても、静かに生活を守り続けるという考え方もあります。
この記事では、生活防衛という視点から、お金を「増やす」よりも「守る」ことを優先する考え方について整理していきます。
正解を押しつける内容ではありません。
「自分はどう考えたいか」を見つけるための材料として、ゆっくり読んでみてもらえたらと思います。
もしまだお読みでなければ、前の記事「生活防衛で考える貯金だけでは不安な30代の現実」から読んでいただくと、内容がつながりやすいかもしれません。
生活防衛の考え方|お金を増やすより守ることが大切な理由
生活防衛という言葉には、どこか地味で堅い印象があるかもしれません。
ですが、将来への不安が大きくなりやすい今の環境では、とても現実的で、むしろ必要な考え方だと感じています。
ここでは、生活防衛という視点でお金と向き合うときに、大切にしたい考え方を整理していきます。
①増やすことが目的になると不安は消えにくい
お金を増やしたいと思うこと自体は、とても自然な感情です。
将来の安心のために、少しでも多く準備しておきたいと考えるのは、むしろ真面目だからこそだと感じます。
ただ、いつの間にか「増やすことそのもの」が目的になってしまうと、心が落ち着きにくくなる場面も出てきます。
増えれば安心し、減れば不安になる。
数字の上下に、気持ちがそのまま振り回されてしまう。
この状態では、たとえ一時的に増えたとしても、根本的な不安はなかなか消えてくれません。
生活防衛の視点では、「増えたかどうか」よりも、「不安が増えたかどうか」のほうを大事にします。
増やすことを目標にするのではなく、「生活を守るために必要な範囲」を決め、その中で考えるイメージです。
その結果として増えることはあっても、「増やすために生活を削る」ような状況は避けたいところです。
②生活を守ることを基準に考える
生活防衛で一番の基準になるのは、「生活そのものを壊さないこと」です。
どんなに理屈として正しそうな方法でも、生活の質や心の余裕を大きく削ってしまうなら、それは生活防衛とは言えません。
例えば、毎日お金のことばかり考えてしまい、家族との会話や自分の時間を楽しめなくなってしまう。
あるいは、日々の支出を削りすぎて、必要なものまで我慢し続けてしまう。
そうした状態が続くと、たとえ数字上は少し余裕ができたとしても、心の面ではむしろ苦しくなっていきます。
生活防衛の軸は、「お金のために生活を犠牲にしない」というところにあります。
まずは、今の生活を守ること。
そのうえで、余裕がある部分から少しずつ工夫していく。
この順番を間違えないことが、長く続けるためにはとても大切だと感じています。
③守るという選択は決して逃げではない
「守る」と聞くと、「攻めていない」「チャレンジしていない」といったマイナスのイメージを持ってしまう人もいるかもしれません。
成功体験や大きなリターンの話が目立つ時代だからこそ、なおさらそう感じやすいのかもしれません。
ですが、守ることは、何もしないこととは違います。
状況を理解したうえで、「今の自分にはここまでがちょうどいい」と決めること。
あえて無理をせず、自分や家族の生活を優先すること。
それはむしろ、現実を見た上での前向きな選択であり、逃げではありません。
特に30代以降は、自分だけでなく、家族や周りの人の生活も意識せざるを得なくなってきます。
その中で、「あえて守る側に立つ」というのは、大人としての責任ある決断だと私は思います。
攻めるか守るかではなく、「今は守ることを大事にしたい」と選ぶイメージに近いかもしれません。
④続けられることが最大の価値になる
どんなに理想的に見える方法でも、続かなければ意味がありません。
最初の数週間だけ頑張っても、数ヶ月後には元に戻ってしまうようなやり方では、生活防衛という観点からは心もとないと言えます。
忙しい日常の中で、無理をせず、自分のペースで続けられるかどうか。
特別な知識や時間を大量に使わなくても、日々の生活の中に馴染ませることができるかどうか。
生活防衛という視点では、「続けられること」そのものが、大きな価値になります。
一度だけ大きな結果を出すことよりも、小さくてもいいので、続けていける形を選ぶほうが、長い目で見れば安心につながります。
続けることができれば、その分だけ「慣れ」が生まれ、不安も少しずつ小さくなっていきます。
逆に、続けられない方法を選び続けると、「また続かなかった」という自己嫌悪だけが積み重なり、心が疲れてしまいます。
だからこそ、「続けられるかどうか」を判断基準の一つとして持っておくことが大切です。
⑤生活防衛の形は人それぞれで違う
生活防衛というと、何か特定のやり方や正解があるように感じるかもしれません。
ですが、実際には、生活防衛の形は人によってまったく違います。
収入、家族構成、住んでいる場所、これまでの経験、大事にしたい価値観。
そうした条件が違えば、「ちょうどいい守り方」も自然と変わってきます。
大切なのは、誰かのやり方をそのまま真似することではありません。
自分の生活を基準にして、「無理なく守れる形」を探していくことです。
ある人にとっての生活防衛は、「支出を少しだけ整えること」かもしれません。
また別の人にとっては、「将来に備える仕組みを一つだけ取り入れてみること」かもしれません。
どちらが正解という話ではなく、「自分に合っているかどうか」が一番のポイントです。
このブログでは、「こうしなければならない」ではなく、「こういう考え方もある」という形で、生活防衛のヒントをお伝えしていければと思っています。
まとめ|生活防衛という考え方が不安を小さくしていく
生活防衛という考え方は、派手さはありませんが、将来への不安が大きくなりやすい今の時代において、とても現実的な視点だと感じています。
お金を増やすことだけを追いかけるのではなく、今とこれからの生活を守ることを優先する。
「どれだけ増えたか」よりも、「どれだけ生活が壊れずに続いているか」を基準に考えることで、不安の感じ方は少しずつ変わっていきます。
守るという選択は、決して逃げではありません。
むしろ、自分や家族の生活を大切にしたいからこそ、「今はここまでにしておこう」と決める、前向きな判断だと思います。
そして、どんなに良さそうに見える方法でも、続かなければ意味がありません。
続けられる形を選び、自分の生活を基準に考えることが、生活防衛の土台になります。
次の記事では、この生活防衛の考え方を前提に、「仕組み」という考え方について、もう少し具体的に整理していきます。
焦らず、自分のペースで、一緒に考えを深めていければうれしいです。
考え方の土台が少し見えてきたら、「自分が頑張り続ける」のではなく、どこまでを仕組みに任せるのかという視点も一つの選択肢になります。