【FX初心者ロードマップ第52話】ダブルトップ/ボトムを形ではなく「流れ」で読み解く

FX初心者ロードマップ

チャートパターン編の最初の具体的なテーマとして、この第52話ではダブルトップ/ダブルボトムを取り上げます。

「M字の天井」「W字の底」というイメージは知っていても、いざチャートを見ると「これはダブルトップなのか、ただの押し目/戻りなのか」が分からず、結局エントリーを迷ってしまう…という経験は多いのではないでしょうか。

ダブルトップだから下がる、ダブルボトムだから上がる──のではなく、本当のところは「同じ価格帯を2回試してもブレイクできなかった結果として、流れが変わりやすい状況が整っている」だけです。

そこで第52話では、ダブルトップ/ボトムを単なる「W・Mの図形」としてではなく、勢いのピークアウトと買い・売りの入れ替わりとしてとらえながら、「どんな場所で注目すべきか」「ネックラインの引き方」「エントリーと損切り・利確の基本」「レンジ内の“なんちゃってW/M”との見分け方」「上位足との組み合わせ方」までを、FX初心者でも実戦に落とし込みやすい形で整理していきます。

チャートのあちこちで「何となくそれっぽい形」に振り回されないために、ここでダブルトップ/ボトムの“本質的な見方”をインストールしておきましょう。

ダブルトップ/ダブルボトムを「形」ではなく「流れ」で理解する

チャートパターン編の最初の具体パターンとして、今回はダブルトップ/ダブルボトムを取り上げます。

「Wの形」「Mの形」として有名ですが、ただ図形として暗記しても、実戦では「これってダブルトップ? まだ? もう?」と迷いやすいのが正直なところだと思います。

そこで第52話では、ダブルトップ/ダブルボトムを「形」ではなく「値動きの流れ」として理解することをテーマに、どんな場面で注目すべきか、どこでエントリー・損切り・利確を考えるかを整理していきます。

ダブルトップだから下がるのではなく、「下がりやすい状況だからダブルトップになりやすい」という順番で考えるのがポイントです。

① ダブルトップ/ダブルボトムのざっくりイメージ

まずは、ダブルトップ/ダブルボトムを難しく考えずに、ざっくりとしたイメージから押さえておきましょう。

ダブルトップは、「高値を2回試したけれど、どちらも超えられずに失速した形」です。

ダブルボトムはその逆で、「安値を2回試したけれど、どちらも抜けられずに反発した形」です。

つまりどちらも、

・1回目のトライで、方向感をはっきり出した。

・それを見て追随勢が集まり、2回目も同じ方向を試した。

・だけど結局、2回ともブレイクしきれずに、逆方向の勢力が勝ち始めた。

という「勢いのピークアウトと攻防の入れ替わり」が、WやMの形になって見えているだけです。

形を覚える、というより、「2回試してダメだったところから、流れが変わりやすい」とイメージしておくと、チャートの見え方が少しラクになります。

② どんな場所で出ると信頼度が高いのか

ダブルトップ/ダブルボトムは、「場所」が半分以上です。

同じW・Mっぽい形でも、

・上昇トレンドの高値圏。

・下降トレンドの安値圏。

・長期足で何度も意識されているサポレジ周辺。

といった「そもそも反転が起こりやすい場所」で出る形のほうが、当然ながら意味が重くなります。

逆に、トレンドのど真ん中や、どこが意識されているか分からないようなゾーンで出るWやMは、「ただの途中の押し目/戻り」で終わることも多いです。

実戦では、

・まず上位足でトレンド方向と高値圏/安値圏を確認する。

・次に、過去に何度も止められている水平線を引く。

・そのうえで、「その近くにW/Mっぽい形ができていないか」を見る。

という順番で、パターンを「場所のフィルター」に通す癖をつけるのがおすすめです。

③ ネックラインの考え方と引き方

ダブルトップ/ダブルボトムで欠かせないのがネックラインです。

ダブルトップなら、2つの山の間の安値を結んだライン。

ダブルボトムなら、2つの谷の間の高値を結んだライン。

これが「パターンの境界線」になり、ここを明確に抜けるかどうかが、反転の成否を分けるポイントになります。

ネックラインは、必ずしも完全な水平でなくてもOKです。

少し斜めになっていても、ローソク足の「意識されていそうな安値(もしくは高値)」を素直に結んであげれば十分です。

大事なのは、「ここを割れた(抜けた)ときに、今までとは違う展開になりそうだと感じられるラインかどうか」です。

ネックラインは、のちほど出てくるエントリー・損切り・利確の基準にもなるので、丁寧に引く習慣をつけておきましょう。

ダブルトップ/ボトムをどうトレードに落とし込むか

④ エントリーの基本は「ネックラインブレイク」

エントリータイミングの基本は、「ネックラインを明確にブレイクしたあと」です。

ダブルトップなら、ネックライン割れで売り。

ダブルボトムなら、ネックライン上抜けで買い。

二つの山/谷ができている段階では、「なりそう」なだけで、まだ完成していません。

ネックラインを割らずに反転してしまえば、ただのレンジ継続やトレンド中の調整に過ぎない可能性もあります。

エントリーを急ぎすぎると、「未完成のパターン」に何度も飛びついてしまい、ダマシに振り回されます。

そのため、「ネックラインを終値ベースで抜けたことを確認してから入る」「1本分だけでもブレイクを待つ」といったマイルールを決めておくと、無駄なエントリーがかなり減っていきます。

⑤ 損切りの置き方とポジションサイズ

ダブルトップ/ダブルボトムの損切りは、「パターンが崩れたと判断できる位置」に置くのが基本です。

ダブルトップの売りなら、2つの山(もしくはやや高い方の山)の少し上。

ダブルボトムの買いなら、2つの谷(もしくはやや低い方の谷)の少し下。

そこを明確に抜けてしまったら、「高値(安値)を2度試して失敗した」という前提が崩れるので、「ダブルトップ/ボトムとしては一旦負けを認める」のが自然です。

このとき重要なのが、損切り幅を先に決めてからポジションサイズを計算すること。

「ここに損切りを置くなら、自分のリスク許容(1回のトレードで口座の何%まで)に収まるロットはどれくらいか?」と逆算して、ロットを決めていきます。

パターンがきれいでも、損切り幅が広すぎてロットを落とせないなら、そのトレードは見送る勇気も持っておきたいところです。

⑥ 利確の目安と値幅の考え方

利確の目安には、いくつか代表的な考え方があります。

ひとつは、ダブルトップ/ボトムの「高さ」をそのままターゲットにする方法です。

具体的には、

・山(谷)の頂点とネックラインの差を測る。

・その値幅ぶんを、ネックラインから下(上)にコピーしたあたりを第1目標にする。

という考え方です。

もうひとつは、

・上位足で見える次のサポート/レジスタンス。

・直近の押し安値/戻り高値。

といった「価格の節目」を目安にする方法です。

最初からフルポジションで最後のターゲットを狙うのではなく、「第1目標で一部利確」「残りはトレールする」といったように、段階的にリスクを減らしながら伸ばす戦い方も検討してみてください。

具体ケースでイメージするダブルトップ/ボトム

⑦ 上昇トレンド終盤でのダブルトップ

典型的なシナリオとして、上昇トレンド終盤のダブルトップをイメージしてみましょう。

日足レベルでじわじわ上がってきたあと、過去にも何度か止められている高値ゾーンに到達します。

そこで一度大きく上抜けを試すものの、終値ベースでは押し戻されて長い上ヒゲ。

その後、少し下げてからもう一度同じゾーンを試し、またしても押し戻されて2つ目の山が形成される。

この時点で、「この高値ゾーンではかなりの売り圧力が控えていそうだな」と目星をつけつつ、ネックラインを引いておきます。

そして、4時間足や1時間足でネックライン割れを確認できたら、戻りを待ってからショートを検討する、という流れです。

ここでのポイントは、「上昇トレンドの中で出た“調整のW”」と、「本格的にトレンドが終わりかけているダブルトップ」を見分けようとする意識を持つこと。

前者は、ネックラインを割ったあともすぐに買いが入ってトレンドが再開することが多いため、上位足の流れとセットで判断する必要があります。

⑧ 下降トレンド終盤でのダブルボトム

ダブルボトムは、下降トレンドの「売りが出尽くしつつある局面」でよく現れます。

日足で見ると、安値を更新しながら下落していたものの、あるゾーンで一度大きく反発。

その後の戻りで再び売られて同じ安値ゾーンを試すけれど、一度目ほどは下に走らず、結果的に同じくらいの安値で止まって反発する。

この2回の安値をつないだゾーンが、「売りの限界ライン」のように機能し始めるイメージです。

2つの谷の間の高値にネックラインを引き、そこを上に抜けてくるようなら、「短期的なトレンド転換や、中期的な戻り局面に入るかもしれない」と見立てます。

実戦では、ネックラインを抜けたあとに、再度そのライン付近まで押してくる「押し目」を待ってからロング、という入り方のほうが、精神的なストレスは小さくなりやすいです。

⑨ レンジ内の「なんちゃってW/M」との見分け方

ダブルトップ/ボトムの難しいところは、レンジの真ん中付近でもそれっぽい形がいくらでも出てしまうことです。

レンジ相場では、

・上限と下限の間を行ったり来たり。

・途中の価格帯で小さなWやMが何度もできる。

といった動きが日常茶飯事です。

こうした「なんちゃってW/M」にいちいち反応してしまうと、細かいノイズで何度も損切りに引っかかってしまいます。

見分け方としては、

・レンジの「端」に近い形を優先する。

・ネックラインが、レンジの中央付近ではなく「レンジの端を抜ける位置」に近いものを優先する。

といったフィルターをかけるのが有効です。

「レンジの真ん中でのW/Mはスルー」くらいに割り切ってしまってもかまいません。

よくある失敗と、ダマシへの付き合い方

⑩ 途中の形に飛びついてしまうミス

ダブルトップ/ボトムで最もありがちな失敗が、「まだ完成していない途中の形」に飛びついてしまうことです。

「ここからWになりそう」「ここからMになりそう」と感じた瞬間に、先回りで入ってしまうパターンですね。

たしかに、うまくハマるとリスクリワードは非常に良く見えます。

ただ、長い目で見ると、「Wになりきれなかった形」「Mになりきれなかった形」による負けが積み重なりやすいのも事実です。

対策としては、

・ダブルトップ/ボトムは「ネックラインブレイクまで待つ」とルール化する。

・どうしても先回りで入るなら、ロットを半分以下にするなど、リスクを抑える。

といった工夫で、「期待値の低い飛びつきエントリー」を減らしていくのがおすすめです。

⑪ ネックライン割れ後の戻りを待つという選択肢

ネックラインを割った瞬間に飛び乗ると、そこが「一番おいしく見える」分だけ、ダマシだったときのダメージも大きくなりがちです。

そこで、

・ネックラインブレイクで一度様子を見る。

・そのあとネックライン近くまで戻ってきたときの「戻り売り/押し目買い」を狙う。

という入り方も覚えておくと、かなり戦いやすくなります。

この場合、エントリー位置はやや有利になり、損切り幅もコンパクトにできます。

その代わり、「戻ってこないで一気に走ってしまう」パターンは取り逃がすことになりますが、すべてを取ろうとしない代わりに、ストレスの少ないトレードに集中できる、というメリットがあります。

どちらを選ぶかは性格次第ですが、「戻り待ち戦略」を持っておくと、ダブルトップ/ボトムとの付き合い方がぐっと楽になります。

⑫ 上位足と組み合わせたときの優先順位

最後に、上位足との組み合わせについて触れておきます。

5分足でダブルトップ。

でも1時間足では、まだ強い上昇トレンドの押し目。

こうした「時間足の衝突」は、チャートパターンでもよく起こります。

基本的な優先順位としては、「上位足のトレンド > 下位足のパターン」です。

上位足のトレンド方向に逆らうようなダブルトップ/ボトムは、短期的な押し目/戻りに過ぎないことも多く、「反転を取りにいく逆張り」として慎重に扱う必要があります。

一方、上位足のトレンド転換ポイントと、下位足のダブルトップ/ボトムが同じゾーンで重なっているときは、根拠が多くなるぶんだけ、狙う価値のある場面になりやすいです。

チャートパターンは、単体ではなく、「マルチタイムフレーム分析」の中の1ピースとして使っていきましょう。

まとめ|ダブルトップ/ボトムは「2回試してもダメだった場所」から流れを読むパターン

第52話では、ダブルトップ/ダブルボトムを「形」ではなく「値動きの流れ」としてとらえ直し、どのようにトレードに活かすかを整理しました。

ダブルトップは高値を2度試して失敗した形、ダブルボトムは安値を2度試して失敗した形であり、どちらも「同じ価格帯を2回試してもブレイクできなかった=勢いがピークアウトし、攻防の主導権が入れ替わりつつある場所」だという点が共通していました。

そのうえで、トレンドのど真ん中やレンジ中央付近の“なんちゃってW/M”ではなく、上昇トレンド終盤の高値圏・下降トレンド終盤の安値圏・長期サポレジ付近といった「そもそも反転しやすい場所」で出るパターンほど意味が重いこと、そして2つの山/谷の間に引くネックラインが「本当に抜けたら流れが変わりそうな境界線」になっているかを確認する重要性も確認しました。

エントリーの基本はネックラインブレイク(またはブレイク後の戻り)を待つこと、損切りは山(谷)の少し外側=パターンが崩れたと判断できる位置に置くこと、利確はパターンの高さや次のサポレジを目安に段階的に行うことなど、シンプルなルールに落とし込むことで、「形が見えたから何となく入る」状態から一歩抜け出せます。

また、5分足などの短期足で見つけたダブルトップ/ボトムも、1時間足・4時間足のトレンドに逆らっているなら「短期の押し目/戻り」に過ぎないことが多く、基本的な優先順位は「上位足のトレンド > 下位足のパターン」であることも押さえておきたいポイントでした。

ダブルトップ/ボトムを、W・Mの図形として暗記するのではなく、「2回試してもダメだったことで見えてくる勢いの変化」として読み取れるようになると、チャートパターンの扱い方が一段とクリアになります。 次回は、この流れをさらに発展させて、より大きなトレンド転換を狙う「ヘッドアンドショルダー(三尊/逆三尊)」を題材に、エントリー・損切り・利確の考え方を深掘りしていきましょう。

前の話 第51話:わかりやすいチャートパターンだけに絞って武器にする
次の話 第53話:ヘッドアンドショルダー(三尊/逆三尊)で大きな転換をとらえる

【投資に関する注意】

本記事の内容は、筆者の個人的な見解であり、特定の通貨ペアや金融商品の売買を推奨するものではありません。

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