ファンダメンタルズを意識し始めると、多くの人がぶつかるのが「ニュースや経済指標を見るたびに気持ちが揺れてしまう」という問題です。
せっかくテクニカルで立てたトレードプランが、指標のヘッドラインやSNSの一言でコロッと変わってしまう。 ポジションを持ったあとにニュースを見て不安になり、「やっぱりやめておけばよかった…」と後悔する。 こんな経験、心当たりがある人も多いのではないでしょうか。
第67話では、この「振り回されるパターン」から抜け出すために、ニュースや指標に対して自分でブレーキをかけるためのマイルールの作り方を整理していきます。
「何をやるか」だけでなく、「何を絶対にやらないか」を先に決めること。 経済指標カレンダーとの付き合い方、ニュース・要人発言との距離感、ポジションサイズや連敗ストップのルール、そしてルールを破ってしまったときの振り返り方まで、実務ベースでかみ砕いてお伝えします。
この記事を読み終えるころには、「自分はこういうとき、こう決めておく」というあなただけのニュース・指標マニュアルが、1枚のメモとして形になっているはずです。
ニュースや指標に振り回されないためのマイルールを作る
ファンダメンタルズを意識し始めると、多くの人がぶつかる壁があります。
それは、ニュースや経済指標を見るたびに気持ちが揺れて、せっかく立てたトレードプランがコロコロ変わってしまうことです。
第67話では、この問題を解決するために、「ニュースや指標に振り回されないためのマイルール」を自分で設計する方法をまとめていきます。
特別な才能やメンタルの強さは必要ありません。
必要なのは、「やらないことを先に決める」「同じパターンで考える」「守れなかったときの振り返り方を用意しておく」という3つの仕組みだけです。
この記事を読み終えたころには、あなた自身のトレードスタイルに合わせた「ニュース・指標との付き合い方」が、1枚のマイルールとして形になっているはずです。
① なぜ「マイルール」がないと振り回されるのか
まずは、なぜニュースや指標に振り回されてしまうのか、その根本原因から見ていきましょう。
一言でいえば、「自分の判断基準より、目の前の情報が強くなってしまうから」です。
チャートを見ながら、「ここで押し目買いを狙いたいな」と考えていたのに。
指標の時間が近づいた途端、「でも、もし悪い数字が出たらどうしよう?」と不安になる。
ニュースサイトを開いたら、「専門家Aはこう言っている」「アナリストBは逆のことを言っている」と、意見がバラバラ。
こうなると、もともと自分が立てていたプランよりも、「今見た情報」のほうが強く感じてしまいます。
つまり、
・自分のルールが弱い。
・情報のほうが強い。
この力関係になっている状態です。
だからこそ、「自分はこうする」と先に決めておくマイルールの“骨組み”が必要になるわけですね。
② 「やること」より先に「やらないこと」を決める
マイルールを作るとき、多くの人は「やること」から考えがちです。
・こういうときに買う。
・こうなったら利確する。
もちろん大事なのですが、実はその前に決めておくと強いのが、「やらないことリスト」です。
たとえば、ニュースや指標に関して言えば、こんな感じです。
・指標の「結果が出た瞬間」は新規エントリーしない。
・要人発言で急騰・急落した直後は、最低30分は様子を見る。
・SNSの噂だけを根拠にポジションを増やさない。
・ニュースヘッドラインを見てから、エントリープランを変更しない。
こんな「やらないこと」を、先に書き出しておきます。
「これは絶対やらない」と言い切れる行動が増えるほど、ブレにくくなるのがマイルールの面白いところです。
③ 経済指標カレンダーのためのルールを作る
次は、経済指標カレンダーの使い方について、具体的なマイルールを決めていきます。
ここでのポイントは、「全部を見る」のではなく、「何を見て、どう行動を変えるか」をあらかじめ決めておくことです。
たとえば、こんなルールが考えられます。
・毎週日曜に、今週の重要指標(★3、米・自国通貨関連)だけをチェックする。
・自分がメインでトレードする時間帯に重なる指標にマーカーをつけておく。
・重要指標の「15分前〜15分後」は、新規エントリーをしない。
・重要指標の「1時間前」からは、ポジションを半分に落とす or そもそも持たない。
・利が乗っているポジションは、指標前に一部利確してリスクを落とす。
こうしたルールを決めておくと、指標直前に慌ててカレンダーを開く必要がなくなります。
「今日のこの時間帯は危ないから、そもそもエントリーしない」と、事前に“地雷を避けておける”のが大きなメリットです。
④ ニュース・要人発言との距離感ルール
ニュースや要人発言は、見始めるとキリがありません。
しかも、「強気」と「弱気」が混在していて、どれを信じればいいのか分からなくなりがちです。
そこでおすすめなのが、ニュースとの「距離感」そのものにルールを決めてしまうことです。
例としては、こんな感じです。
・ニュースチェックは「トレード前の10分だけ」に限定する。
・SNSのタイムラインをトレード中に流し見しない。
・要人発言のヘッドラインを見ても、「すぐにはポジションを動かさない」と決める。
・「これ本当?」と思うニュースは、チャートの動きで裏を取るまで信じない。
特に大事なのは、「ニュースを見てからではなく、ニュースを見る“前に”ルールを決めておくこと」です。
感情が動いている最中にルールを作ろうとすると、ほぼ確実に甘くなります。
⑤ ポジションサイズと連敗ストップのルール
ニュースや指標に振り回されるとき、同時に起きやすいのが「ロットの暴走」です。
・良いニュースが出たから、ロットを倍にする。
・悪いニュースで損切りした直後、「取り返したい」とロットを跳ね上げる。
こうなると、メンタルが一気に不安定になり、冷静な判断はほぼ不可能になります。
そこで、ポジションサイズと連敗に関するマイルールを、あらかじめ数字で決めておきましょう。
・1回の損失は、口座資金の◯%まで。
・1日に連続で3回負けたら、その日は強制終了。
・重要指標の日は、通常ロットの◯割までに抑える。
・ニュースで感情が乱れたと感じたら、次の1トレードはロットを半分にする。
このように、「ロットと回数」に上限を決めておくことが、マイルールの“最後の守護神”になります。
⑥ エントリー前チェックリストを作る
ニュースや指標に揺れやすいときほど、「勢いでエントリーしてしまう」場面が増えます。
なので、エントリー前に毎回確認する「チェックリスト」を持っておくと、かなりブレーキが利くようになります。
おすすめの項目は、こんな感じです。
・上位足(4時間足・日足)のトレンド方向と、エントリー方向は一致しているか?
・直近の高値・安値、レジサポ、トレンドラインの位置は確認したか?
・このあと1時間以内に、重要な指標や要人発言は控えていないか?
・損切り位置と利確目標は、チャートのどこに置くか決まっているか?
・このトレードで負けても、「今日はまだ続けて大丈夫」と言えるロットか?
これらに「はい」と答えられないなら、エントリーは一旦保留です。
「チェックリストを通過できないトレードは、そもそもやらない」というルールにしてしまうと、衝動的なエントリーはかなり減っていきます。
⑦ 指標前後の「持ち越し/撤退」ルール
経済指標や要人発言の前後で悩みやすいのが、「ポジションをどうするか」という問題です。
ここも、感覚で決めるのではなく、あらかじめマイルールを持っておきましょう。
例としては、こんなパターンが考えられます。
・「含み益が◯pips以上あるときだけ、一部を残して持ち越してもよい」。
・「含み益が少ない/建値付近のときは、重要指標前には一度ノーポジにする」。
・「重要指標の結果が出てから、最低30分は新規エントリーしない」。
・「スプレッドが大きく開いている間は、どんなにチャンスに見えても入らない」。
大事なのは、「持ち越してもいい条件」と「絶対に持ち越さない条件」を数字で決めることです。
「なんとなくいけそうだから残す」「怖いから全部切る」と、その場の感情で判断している限り、振り回され続けてしまいます。
⑧ ルールを破ったときの振り返り方
最後に、忘れてはいけないポイントをひとつ。
それは、「マイルールは、最初から完璧に守れるものではない」ということです。
人間なので、感情が揺れれば、ついニュースを見て飛び乗ってしまうこともあります。
そこで重要になるのが、「破ったあと、どう振り返るか」です。
おすすめは、トレードノートに「ルール違反専用」の欄を作ることです。
・破ったルール:例「指標直後にエントリーしない」を破った。
・破ったきっかけ:例「雇用統計の結果を見て、チャンスだと思ってしまった」。
・結果:例「スプレッド拡大で想定以上の損失」。
・次に同じ状況になったらどうするか:例「そもそも指標の瞬間はPCから離れる」。
こうやって、「次に同じ失敗をしたくない自分」からのメッセージを一言で書いておきます。
大事なのは、自分を責めることではありません。
「ルールを1つ改善するための材料が1つ手に入った」と考えることです。
この積み重ねが、数ヶ月〜数年単位で大きな差になっていきます。
まとめ|ニュースや指標より先に「自分ルール」のほうを強くしておく
第67話では、ニュースや経済指標に振り回されないためのマイルールの作り方を整理しました。
まず押さえておきたかったのは、私たちが情報に振り回される根本原因が、「自分の基準よりも、目の前のニュースのほうが強く感じてしまうこと」だという点でした。 だからこそ、ニュースを見る前に「自分はこうする」と決めたマイルールの“骨組み”を用意しておくことが重要でした。
具体的には、
・「指標直後には新規エントリーしない」「SNSの噂だけでポジションを増やさない」など、先に“やらないことリスト”を決める。
・経済指標カレンダーでは、重要度★3かつ自分の通貨ペアに関係するものだけをチェックし、「◯分前〜◯分後はエントリーしない」「指標前はロットを落とす」といった行動ルールを決める。
・ニュースや要人発言との距離感について、「いつ・どれくらい見るか」「見てもすぐにポジションを動かさない」など、時間と頻度のルールを決めておく。
・1回の損失の上限/1日の連敗数/指標日にはロットを何割に落とすかなど、ポジションサイズと回数に“物理的な上限”を設けておく。
・エントリー前チェックリスト(上位足の方向・レジサポ・指標時間・損切りと利確の位置・ロットの妥当性)を用意し、通過できないトレードはそもそもやらない。
・指標前後の「持ち越し/撤退」についても、「含み益が◯pips以上のときだけ一部残してもいい」「建値付近なら一度ノーポジにする」といった条件を数字で決める。
さらに、マイルールは最初から完璧に守れるものではないので、破ってしまったときにはトレードノートに「破ったルール/きっかけ/結果/次に同じ状況ならどうするか」をメモし、「ルールを1つ改善するための材料が手に入った」と考えることも大切でした。
ニュースや指標はこれからも絶えず流れ続けますが、「情報に合わせて自分を揺らす」のではなく、「自分のルールに合わせて情報との距離感を決める」ことができるようになると、トレードのブレは一気に減っていきます。
次回は、このマイルールをさらに一歩進めて、経済指標・要人発言・イベント時のチャートを“どう振り返るか”というケーススタディを通じて、ファンダとテクニカルの両方を実戦レベルで鍛えていく方法をお伝えしていきます。
【投資に関する注意】
本記事の内容は、筆者の個人的な見解であり、特定の通貨ペアや金融商品の売買を推奨するものではありません。
FX取引は元本保証のないリスクを伴う金融商品です。実際のトレードは、必ずご自身の判断と責任にて行ってください。
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